
面:ナポレオン4世の左向き肖像
〈NAPOLEON IV EMPEREUR〉の銘記(皇帝ナポレオン4世)

裏面:入念に飾られた帝冠と中央にワシ
〈EMPIRE DES FRANCAIS〉(フランス帝国)の銘記、額面〈5F〉
◆◆ナポレオン3世の跡取り息子、英国・ヴィクトリア女王にも寵愛された人物◆◆
ナポレオン・ウジェーヌ・ルイ・ボナパルト(Napoléon Eugène Louis Bonaparte)は、フランス第二帝政時代の皇太子。1870年9月2日から9月4日の2日間、父ナポレオン3世に代わって政務を執った(摂政皇太子)。寡黙な人柄であったという。
1856年3月17日、フランス皇帝ナポレオン3世の嫡出子としてパリで生まれた。皇后ウジェニーが2度の流産の後、やっと授かった跡取り息子であったため、ナポレオン3世は彼を溺愛したという。普仏戦争初期、1870年9月2日から9月4日まで父ナポレオン3世は拘束状態であったため、2日間だけ皇太子が表面上政務を取り仕切るが、9月4日にパリで民衆の暴動が起こると、9月6日にイギリスへ亡命した。
イギリスではウーリッジ砲兵学校に入学し、好成績で卒業した。ヴィクトリア女王に愛称の「ルル」で呼ばれて寵愛され、末娘ベアトリス王女との縁談も持ち上がるほどであった。イギリスへの恩返しとして1878年に勃発したズールー戦争に従軍し、1879年6月1日にズールー族の襲撃を受けて戦死した。子はなく、ナポレオン3世の直系は絶えることとなった。
